シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2005年:FIX対応の総合トレーディングシステム
Abstract
セレントの予測では、ポートフォリオシステムの世界市場の規模は、2008年には22億米ドル(約2,500億円)に達する見込みです。
ポートフォリオシステムは、投資運用会社や銀行・保険会社の投資運用部門にとって、中核的なインフラです。セレントは最新レポート「シリーズ ポートフォリオシステム市場動向2005年:FIX対応の総合トレーディングシステム」 で、米国および欧州で入手可能な12種類のポートフォリオシステムを比較し、市場の主要トレンドや最新のポートフォリオ管理システムの特性・機能を詳しく検証しています。
ポートフォリオシステム市場は、アプリケーションへの需要を背景に、技術革新やベンダーの新規参入の続く活況を呈しています。セレントの予測では、ポートフォリオの世界市場規模は2008年には約22億米ドル(約2,500億円)に達する見込みです。そして、その間4年間の累積成長率はやや小幅な7.3%と見ています。
「ポートフォリオシステムのベンダーは、自らの持つ機能の幅広さや市場知識を強調する必要があります。さもなければ、小型システムを投入したロイターやブルームバーグに、顧客を奪われてしまうでしょう」と、シニアアナリストで本レポートを執筆したデニース・バレンタインは述べています。「テクノロジープロバイダーやブローカーディーラーの関心は、電子取引、デリバティブ、アルゴリズムプログラム、分析論、サービスなどに移っています。一方、アセットマネージャー向けには、フロントオフィスを通じて提供されるサービスがますます多様化しており、こういったスイート製品の中で、単なる会計システムや管理システムを超えた真の価値が提供されています。また、新たな「サービスデリバリ」の分野では、FIX対応のトレーディング機能や取引ネットワークへのアクセスを備えたソリューションが最も有利な位置にあると言えるでしょう。当然ながら、これらに最も強い関心を寄せているのは中規模のアセットマネージメント会社です。」
本レポートは、合計20以上のポートフォリオシステムの評価結果を紹介するレポートシリーズの第1弾です。今回取り上げたポートフォリオシステムのベンターは、Advent Software、Beauchamp Financial Technology、CheckFree Investment Services、DST International、Financial Models Company (SS&Cが買収)、INDATA、Linedata Services、SimCorp、SS&C Technologies、SunGard、Thomson Financial、Trema Groupです。
各ソリューションは、セレントが新たに導入した「ABCD ベンダー分析」に基づいて評価・格付けされています。同分析は、各ソリューションをテクノロジーの先進性(Advanced technology)、特性・機能の幅(Breadth of features and functionalities)、顧客基盤(Client base)、顧客サービスの充実度(Depth of client service)の4つの基準から比較・評価するものです
「ポートフォリオシステム市場では、ここにきてベンダー間の合併や買収が相次いでいますが、この動きがユーザーのテクノロジーに対する需要を変えることはありません。金融機関は、幅広い機能へのアクセスやより高度な機能性を求めてベンダーを変更する可能性があります。一方、ベンダー側の再編の動きは、二流に位置するシステム同士の統合になりそうであり、さもなければ、人材豊富な大企業と革新的な商品や機能を持つ中小企業との合併といったケースでしょう」と、バレンタインはコメントを加えています。
このレポートは15図と14表を含む全61ページで構成されています。
注)米ドルから日本円への換算レートは、2005年7月29日の仲値(東京三菱銀行公表による)を参照。