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分散型帳簿テクノロジーによるリスク分散化:グローバル・システミック・リスクの軽減【抄訳版】

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2015/10/27

Abstract

このレポートは2015年10月27日に" Distributing Risk with Digital Assets: Mitigating Global Systemic Risk" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2016年4月19日に発行しました。)
※ダウンロード: レポート(日本語)=抄訳版PDF、(英語)=原文レポートPDF

2008年の金融危機以降、政策策定者、規制当局および市場参加者の注目はシステミック・リスクにシフトしてきています。システミック・リスクを特定し、測定するためのリサーチは盛んに行われていますが、テクノロジーを利用して金融システムを再構築し、カントリーリスクがシステミック・リスクに発展しないよう抑制する動きはあまり意識されていないようです。

本レポートでは、分散型帳簿システムがこの問題を解決する手段になり得るか検証します。

KEY RESEARCH QUESTIONS
1 システミック・リスクとは何か?

2

システミック・リスクは金融システム内にどのように固定化するか?
3

分散型帳簿テクノロジーの影響はどのようなものか?

金融危機の拡大
世界の金融システムは過去数十年にわたり数々の金融危機に直面してきましたが、その規模、範囲、経済的な打撃の広がりは拡大し続け、2008年の金融危機でクライマックスに達しました。これを受けて世界が連携して過去最大規模の救済措置を打ち出し、数兆ドルが投入されました。

確実性が求められる中での市場の不確実性
資本市場は不確実性を嫌い、特に不況下ではその傾向が強まります。金融危機に見舞われた市場に安心感を与えようとする規制当局にとって、金融機関の相互関連性に関する正確でリアルタイムな情報が得られなければ深刻な問題になりかねません。

分散型帳簿テクノロジー
システミック・リスク、中央銀行による健全性に関する規則、銀行間決済、資本市場の決済、分散型帳簿システム導入によるシステミック・リスク軽減の可能性といったテーマについて論じています。

「このテクノロジーはまだ進化の初期段階にあります。しかし、金融システム内のテクノロジーだけではなく、世界の金融システムそのものを抜本的に再構築する可能性があるため、本ポートで示した視点が重要になります」とセレント証券プラクティスのシニアアナリストでレポートを執筆したジョン・ドゥワイヤーは述べています。