次世代のバランスシート管理および資産負債管理:ベンダーABCD評価
テクノロジーを使ったバランスシート最適化の最先端療育への金融機関とベンダーの取り組みについてのセレントのインサイト
Abstract
世界の金融市場は依然として超低金利の環境下にあり、低金利がさらに長引く可能性も高まっている。銀行は今こそ対策を講じ、低金利が収益性に深刻な悪影響を及ぼすリスクを低減すべく明確な行動計画を立てるべきである。金融機関が銀行勘定の金利のリスク管理を強化するための手法や工程を決定するにあたっては、指標、行動修正、バランスシート予測、金利リスクのモデル化について重要な意思決定を求められる。
テクノロジーおよびソリューションの観点からみると、こうした変化によってシミュレーション機能がより動的かつ先進的で相互作用性の高いものへと改善され、異なるシナリオ下での予測および利益の最適化も可能になる。さらに、バーゼルⅣをはじめとする規制強化が進むなか、金融機関にとって、規制で義務づけられている資本分析とバランスシート全体のリスクおよび会計処理に関する多面的見解を組み合わせることが喫緊の課題である。
今後数年間はバーゼルII、II.5およびIIIからバーゼルⅣへの準拠に向けた進化の期間であり、金融機関は商品およびビジネスラインの利益特性に比して資本消費が最も集中している分野を把握することも求められる。資産負債管理(ALM)の機能・業務では、AML部門とその他のリスク管理部門が財務、経理および業務部門の最前線とのつながりを持ちつつ、連携を強化することへの期待が高まっている。
本レポートでは13のALMおよびバランスシート管理システムを取り上げ、ソリューションのプロファイルと機能の詳細な評価、顧客基盤、テクノロジーなど、金融機関が購入にあたって参考にする情報を紹介している。また、ALM、部門間の資金移転価格(FTP)、流動性リスクの主要構成要素のほか、信用リスク、損失の会計処理、取引市場リスク、資本管理、収益性分析、バランスシート最適化などALMの枠に収まらないソリューション機能も評価している。さらに、銀行勘定全体のバランスシートと財務やトレーディング勘定にも対応可能な様々なレベルのソリューションの包括的な評価も行っている。
今回の調査に応じたベンダーはEmpyrean、 Finastra、FIS、Intellect Design、Kamakura、Moody's Analytics、MORS Software、Oracle、Prometeia、QRM、SS&C、Wolters KluwerおよびZMFSである。これらをセレントの標準的なベンダー評価ツール「ABCD Vendor View」を使って評価した。同ツールは、①テクノロジーの先進性と分析②機能の幅③顧客基盤④サービスの拡充度―の4つのカテゴリーごとに各ベンダーの相対的なポジションを一覧図で示すものである。
(詳しい情報は、セレント北川俊来TKitagawa@celent.comまでお問合せください)