2016年 生命保険会社のクローズド・ブロック管理戦略と選択肢
Abstract
大手保険会社とって、既に戦略的な商品ラインから外れている商品は投資リターンが低く、経営陣の成長戦略に含まれない上、管理コストがかさみ、いかに管理するかが問題となっています。
KEY RESEARCH QUESTIONS | |
1 | クローズド・ブロック管理における課題とはなにか? |
2 |
この3年ほどで、クローズド・ブロック管理に対するアプローチはどのように変わったか? |
3 | クローズド・ブロック管理戦略策定はどのように進めればよいか? |
本レポートは、生命保険会社のクローズド・ブロックに関するレポートの第2弾です。前回の2012年以降、米保険会社におけるクローズド・ブロックの発生ペースは減速しています。前回からのアップデートに加え、ランオフ業務に移行する中でクローズド・ブロック管理の出口戦略がどう変わっているかも明らかにします。
クローズド・ブロック(またはクローズド・ブック)はもはや新規発売はされていないが、生命保険会社の財務報告書に保険料収入が発生している契約として記載される保険契約のことを示します。生命保険は長期にわたるため、保険会社はこうしたクローズド・ブロックに関する長期戦略を策定する差し迫った必要性を感じにくいものです。社内でクローズド・ブロック業務を行うことでコスト削減とランオフ業務の管理を目指す戦略は、クローズド・ブロックとオープン・ブロックを同じ保険契約管理システムで処理している場合には有効かもしれませんが、保険会社がシステムのアップグレード、デジタル戦略の導入、システムの簡素化を進める場合は、クローズド・ブロックは縮小するのに管理コストは増大し、システムが陳腐化するリスクも否めません。
「保険会社が勘定を閉鎖すると、必ずその管理をめぐる問題に直面します。クローズド・ブロックは保険会社の資本流出につながると考えられがちですが、それ以外にも解決、少なくとも軽減しなければならない問題が数多く発生します。そして結局は、こうした問題を機にクローズド・ブロックの取り扱いをめぐる意思決定を迫られるとみられます」と、セレント北米保険グループのアナリストでレポートの共著者であるカレン・モンクスは述べています。
「2012年以降、表向きはクローズド・ブロック業務を再保険会社に売却する動きが見受けられました。しかし、過去3年間の売却件数は十数件にとどまっており、社内でランオフ業務を行う戦略が主流でしょう」とセレント保険プラクティスのシニア・バイス・プレジデントでレポートを共同執筆したジェイミー・マクレガーは話しています。
本レポートは1つの表と3つの図を含む16ページから構成されています。