ウェルスマネジメントにおける生成AI導入の先駆者たち
2024/05/19
ウェルスマネジメント:生成AIの導入とその影響に関するエグゼクティブ調査:
Abstract
ウェルスマネジメントの分野では生成AIの導入が急速に進んでいる。セレントは、世界最大手のウェルスマネジメント会社のうち複数の会社の経営幹部を対象に、業界内の生成AIの導入状況について調査を実施した。その中では、過去1年間に生成AIに対するセンチメントがどのように変化したか、分野別の導入状況、ユースケースごとに予想される影響、経験に基づく主な成功要因、自社のテクノロジー面のアプローチについて質問した。回答者の多くはイノベーションのフロントランナーであるため、大部分のウェルスマネジメント会社に先行して生成AIを導入している。セレントは彼らのようなパイオニアを「生成AIの先駆者たち」と呼んでいる。
現在生成AIを活用しているウェルスマネジメント会社の多くはフロントオフィスのアプリケーションに実装しており、特に顧客サービス、マーケティング、プロスペクティング、セールスなどでの利用が多い。これらのユースケースは、マーケティング/セールス用コンテンツの作成や顧客サービスにおけるニーズの集約などを行う低リスクで難易度の低い従業員向けアプリケーションであることが多い。
調査では以下の点も明らかになった。
- 過去14ヵ月間に生成AIの平均センチメントスコアは上昇した。
- 調査に参加した全てのウェルスマネジャーは生成AIがパフォーマンス指標の改善に寄与すると予想している。
- 生成AIのユースケースを既にプロダクション環境で運用しているウェルスマネジメント会社は、いずれも従業員向けアプリケーション限定で導入している。ごく一部の会社は、顧客向けアプリもプロダクション環境で運用している。
- 今のところフロントオフィス部門における導入事例が最も多いが、ウェルスマネジャーが今後2年に最も大きな影響があるとみているのはミドルオフィス部門である。
- ウェルスマネジメントのバリューチェーン全体に「多大な影響」を及ぼすユースケースと考えられているのはAIアシスタントと情報分析である。
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