REPORT
DIMENSIONS:ITの課題と優先事項 2025年版(ウェルスマネジメント編)
20th March 2025

ウェルスマネジメントにおけるIT投資は2022年から2025年にかけて成長を続けると予測されており、ほとんどの地域で成長が加速化している。ここで際立つのは、イノベーションと成長のための投資よりも、業務効率を高めるための投資を優先する傾向に変わっていることである。これは、ウェルスマネジメント企業がコンプライアンスや規制への対応を続ける一方で、アプリケーションやインフラの近代化を目指していることを背景としている。そのために必要なことは、新しいアーキテクチャや技術構成要素、戦略的パートナーシップを活用し、組織の技術ポートフォリオ全体にわたるスピードとアジャイル性を高めることにある。

セレントはウェルスマネジメント企業の経営幹部を対象とするグローバルアンケート「セレントDimensions調査2025年版」を実施し、ウェルスマネジメント業界における経営・運営の課題とテクノロジーの優先事項について調べた。このレポートでは、229名の回答者から得たインサイトと見解をまとめ、業界全体の姿勢を包括的に捉えることで、次年度のテクノロジーの優先事項にスポットを当て、最も大きな変化が予測される製品やプロセスを割り出した。

調査から分かったこと:

  • ウェルスマネジメント企業の技術担当リーダーの半数近く(46)が、今後18ヶ月間のIT支出戦略の大きな影響要因の一つが商品・アイデアの革新であると答えている。
  • ウェルスマネジメント企業の59が、生成AIを活用したPoC(概念実証)を試行、もしくは構築している。
  • ウェルスマネジメント企業の経営幹部の約2/3(65%)が、オルタナティブ投資やプライベートマーケット投資へのアクセスを可能にすることが2025年の中心的な優先事項であると答えている。
  • ウェルスマネジメント企業の経営幹部の25%が、ID認証とデジタルIDが今後18カ月間の技術投資・プロセス投資の最優先事項であると答えている。