2022/09/12
ソリューションの状況、ユースケース、セルサイドおよびバイサイドのケーススタディ
Abstract
サステナブル投資やインパクト投資への関心は依然として高いが、一方でこうした投資には懐疑的な見方も広がりつつあり、その多くはいわゆるグリーンウォッシュとなり得ることを問題視している。多くの投資戦略と同様に、ESG投資も大きなリスクと機会の両方をもたらす。データイネーブルメント(データ管理とアナリティクス)へのテクノロジー投資は、具体的で透明性の高い指標に基づき明確に設定された目標に沿った成果の達成を支援するための鍵になる。また、現在はデータ標準化の初期段階にあり、規制が整備されつつあることから、エコシステムの成熟に伴う「データギャップ」に取り組む上でも、テクノロジーが重要になる。
ほぼすべての活動と資産の経済的側面を再評価する必要があるため、今日の金融市場と同規模の情報の市場が新たに形成されつつある。構造化データソースと非構造化データソースの両方で構成されるこの新しいインサイトの源泉は、企業全体で管理および統合する必要がある。ESGのエンタープライズデータ戦略を適切に実施している企業には、データの価値を高めてこれを収益化したり、競争優位性を構築する機会がある。
本レポートでは、キャピタルマーケッツのエコシステム全体(セルサイドおよびバイサイド)の金融機関とソリューションプロバイダーが、今後押し寄せるESG投資とコンプライアンスの波を乗り切るサポートをするために必要な、データ統合要件の機会と課題について考察する。また、現在の規制と標準の概要およびセルサイドとバイサイドのESG統合のユースケースを提示し、データ管理ソリューションの状況をマッピングし、今後の方向性についても提言している。