2014年 モデルバンク パート5：キャッシュマネジメント/トレードファイナンス【抄訳版】

(このレポートは2014年4月に"Celent Model Bank 2014 part5: Cash Management & Trade Finance" というタイトルで英文で発表されましたが、抄訳版を2014年6月17日に発行しました。）

今年で7年目となるセレントのモデルバンク調査の目的は、「金融機関が全ての業務を最新テクノロジーで最適化したらどうなるか」という一見簡単な疑問に対する答えを探すことにあります。そこで、テクノロジー利用のベストプラクティスを実践している事例について調査しました。

レポートでは、そのような事例を以下の5つのパートに分けて紹介しています。

• パート1：デジタル/オムニチャネル・バンキング
• パート2：エマージングテクノロジーによるイノベーション
• パート3：レガシーシステム/エコシステムマイグレーション
• パート4：決済
• パート5：キャッシュマネジメント/トレードファイナンス

パート5では、3つの革新的プロジェクトを紹介しています。

• ICICI Bank：モバイルソリューションによる債権回収
• Mashreq Bank：キャッシュ/サプライチェーンマネジメントの統合ポータル導入
• Scotiabank：ペイメント関連システムの統合プロジェクト

これまでキャッシュマネジメントのイノベーションを実践してきたのは、もっぱらグローバル銀行に限られていました。だがここにきて、世界各地の「チャレンジ精神にあふれた」銀行が革新的なプロジェクトを立ち上げるようになっています。パート5ではその例として、今年のセレントモデルバンクに選出された3つの銀行を紹介しています。

「今年エントリーした多くのプロジェクトに共通するテーマをみると、業界全体が『より多くの商品』から『より多くの有益な商品』へとシフトしていることがうかがえます。提供する商品の幅や見かけの価格だけでなく、商品のもたらす顧客経験でも競争力を高める必要があると認識する銀行が増えています」と、シニアアナリストでレポートの共同執筆者であるガレス・ロッジはコメントしています。

「テクノロジーに対する消費者の期待は変わりつつありますが、これはリテールバンキングだけに限られるわけではありません。コーポレートバンキングの分野にも大きな変化をもたらしつつあります」と、アナリストでレポート共同執筆者のボブ・メーラは付け加えています。

パート5では、セレントモデルバンクに選出されたプロジェクトを紹介し、キャッシュマネジメントとトレードファイナンスの分野におけるイノベーションの進捗状況を明らかにしています。また、3つの革新的なプロジェクトについて説明し、最後に市場の変化を示す兆しについて解説しています。