金融危機後の財務担当者に向けて:トランザクションバンキング
Abstract
オリバーワイマン既刊レポート
本レポートは、金融危機後に企業で頭角を現しつつある「新しい」財務担当者のニーズを詳しく取り上げ、こうした顧客向けに最適なサービスを提供するためには、戦略的なトランザクション・バンキングを展開する必要があると論じています。
オリバー・ワイマンの最新レポート「金融危機後の財務担当者に向けて:トランザクションバンキング」は、金融危機と信用収縮が企業の財務担当者に与えた影響を分析しています。金融危機後は、これまでは主にバックオフィス機能を担っていた財務担当者が、表舞台に立って戦略策定を行う存在へと変化しました。一連の危機を受け、多くの銀行は安定的でリスクの低い成長分野および収益源であるトランザクション・バンキングの価値を見直しています。2012年、銀行とその顧客、その双方がビジネスの拡大を目指すなか、顧客としての企業の財務担当者の存在感が増し、そのニーズへの注目が高まり、トランザクション・バンキングの分野において新たな課題や顧客関係強化の機会が生まれることでしょう。
オリバー・ワイマンのパートナー、Elizabeth St-OngeおよびMichael Wagner、レポートを共同執筆したAxel Millerは次のように述べています。「銀行にとってのプラス材料は、金融危機を経て、顧客企業のニーズがより多様化・深化し、かつ戦略的になったことです。一方マイナス面は、多大な打撃によって、多くの銀行は自らの業績回復に注力するあまり内向き志向になっています。こうした状況下で銀行が顧客を獲得するためには、顧客にとって利用しやすく、メリットの大きいサービスを提供する必要があります。質の高いトランザクション・バンキングを提供することは必須条件ですが、顧客はそれ以上の付加価値サービスを求めており、ニーズを満たしてくれる銀行とは取引を拡大し、手数料ベースの取引も受け入れる構えです。銀行にとっては、『自らの成長性と収益性を確保しながら、企業顧客に提供する価値を向上・提示できる戦略を策定できるか』がテーマとなるでしょう」