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アジア二都物語:香港とシンガポールはアジア金融市場のエントランス

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2012/02/09

Abstract


セレントは、アジア金融市場のエントランスをめぐるパラダイム変化が起きると予想しています。今後は、東南アジアへのエントランスとして人気を集めるシンガポール、そして中国本土への玄関口となる香港、の2つの都に注目が集まるでしょう。

セレントの最新レポート「アジア二都物語:香港とシンガポールはアジア金融市場のエントランス」は香港とシンガポールという2つの金融市場をテーマにしたシリーズの第3弾で、特にデリバティブ取引に焦点を当て、アジアの金融市場への主な玄関口となる2つの都市を比較・分析しています。レポートではまず、金融危機を脱したものの景気が低迷し、高失業率と債務危機の発生により経済的繁栄に陰りが出ている欧米諸国の現状を説明しています。今やアジア市場に参入する時期やその是非が問題なのではなく、同市場のアクセス性、市場への進出、商品開発、戦略的パートナーシップの構築といった課題にいかにうまく取り組むかが問われています。そして、現在、最大の懸案となっているのは「香港とシンガポールのどちらに向かうべきか」という問題です。

香港証券取引所もシンガポール証券取引所も、アジア太平洋地域で最大のデリバティブ市場ではないかもしれませんが、域外のプレーヤーにとっては最もアクセスしやすい取引所といえるでしょう。この2つの都市国家はその立地特性、政治情勢、国内経済の強さを生かして、アジア域内の金融商品の取引ハブとしての地位を確立しつつあります。また、米国の取引参加者も個人の取引口座を通じて簡単にアクセスすることが可能です。

この先も両国のデリバティブ市場の成長を支えるとみられる要因として、次の点が挙げられます。

  • 米国や欧州に比べて店頭取引に関する規制が比較的緩やかである。欧米で金融危機の引き金となったデリバティブ商品はアジアではあまり普及していないため、店頭市場に対する規制が大幅に強化される可能性は低いとみられる。
  • 為替リスクの抑制を望む傾向が続いている。
  • デリバティブ取引のリスク管理戦略の策定プロセスがさらに強化されている。


「アジア市場へのアクセス方法は変化しつつあります。今や、東南アジアにおける取引ハブの役割を担えるのは香港だけに限りません。独自の強みを持つシンガポールは、金融市場の玄関口として極めて魅力的な存在となっています。同国では英語と中国語の両方が使われており、東と西が交差する場所として理想的といえるでしょう。また、アジア諸国の多くは同国を政治的な中立国とみており、香港に比べて中国との政治的な結びつきは弱いとされています。そのためインドをはじめ、日本や韓国からも投資家を呼び込めるはずです」と、アナリストでレポートの共同執筆者であるアレキサンダー・カマルゴは述べています。

しかし、これによってアジアの金融センターとしての香港の地位が脅かされるわけではありません。香港には英語と中国語を使いこなす人が多く、契約法の整備が進み、西側諸国との歴史的なつながりも強く残っています。中国の特別行政区として、中国ともより強い政治的な結びつきを維持しています。また、中国本土と金融市場を統合する取り組みも進められています。こうした点からみて、香港が中国本土への主な玄関口となることは間違いないでしょう。

レポートでは、最初に各国の金融システムや規制の概要を示し、様々なニーズを持つ市場セグメントを紹介した上で、主要市場である香港証券取引所とシンガポール証券取引所について解説しています。デリバティブ取引を中心に両取引所の概要を明らかにし、それぞれが手がける商品、市場アクセス、提携関係、決済手数料などを説明しています。さらに、両国の債券、OTCデリバティブおよび外国為替市場についても紹介しています。最後に市場の優位性や、市場構造およびアクセスを改善するための取り組みも取り上げています