米証券業界の2004年度IT投資動向
2004/01/30
Abstract
セレントの予想では、2004年の米国証券業界におけるIT投資は2年ぶりに拡大に転じ、年間投資総額は261億ドルに達するとみられます。
米証券業界では過去2年間にわたり市況の低迷に伴うIT投資の停滞傾向が続いていましたが、今年は変化の兆しが表われています。セレントは最新レポートの中で、証券業界の今後の動向を左右する市場環境について分析し、2004年度以降のIT投資を予測しています。
セレントの証券取引・投資グループのマネージャーサン・リーによると、株式市場に対する楽観的な見通し、リテール証券業界の再編、投資銀行業務の負担増大などが引き金となり、再びIT投資が拡大する傾向がみられます。「90年代終わりのような旺盛な投資意欲が回復することはなくても、2004年は企業が再び財布の紐を緩めはじめる転機の年として注目されます」と、リーは述べています。
セレントは、2004年度の証券業界の業績動向について全般的に楽観的な見方をしているものの、慎重なスタンスも崩していません。現在の業界の主要な関心事は、コスト削減、業務の効率化(ストレート・スルー・プロセシング)、コンプライアンス・リスクマネジメントといった項目です。
本レポートは、業界の現状と将来の展望を理解するうえでカギとなる論点について、テクノロジーおよびビジネスの両視点から分析・検証しています。