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2006年 銀行向けITおよびサービス業界のM&A情勢

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2007/03/16

Abstract


銀行向けITおよびサービスの分野では2006年に活発な企業買収・合併が行われ、M&A総額は200億ドル(約2兆3700億円)近くに達しました。2007年には、これを上回る数の案件が発生するでしょう。

銀行向けITおよびサービス業界では、ここ数年M&A活動が過熱しています。2007年のM&Aシーズンの幕開けを告げる大型案件として、既にCheckFreeによるCarreker(推定買収総額は2億600万ドル(約244億円))およびCorillianの買収が発表されています。セレントは最新レポート「2006年 銀行向けITおよびサービス業界のM&A情勢」で、2007年には2006年を上回るペースでM&Aが発生すると予測しています。同レポートでは、市場が加熱している理由を明らかにするとともに、2006年度M&Aのトレンドについて分析しています。

決済処理市場では、2006年に小型のM&A案件が多数発生しました。この動きが2006年のM&A動向に影響し、件数は90件と全体の3分の2近くに上り、市場の再編とそれに便乗する動きがあったことがうかがえます。決済処理の分野では引き続き市場再編を促すM&Aが相次ぎ、これに便乗した動きも続くでしょう。グローバルな資金振替、プリペイドカード、EFTPOS(スマートカードを含む)、加盟店開拓などの分野でさらに企業統合が進むと予想されます。また、モバイルコマースの一段の成長に伴い、決済処理や代理店開拓の機会がさらに広がるでしょう。

ビジネスサービスの分野はM&Aの件数では3番目でしたが、大型の案件が含まれていることから、金額ベースの規模は拡大しています。また、銀行および融資業務の分野においてはM&A件数は最も少ないものの、注目すべき案件がいくつかありました。例えばIntuitによるDigital Insightの買収、M&F WorldwideによるJohn H. Harland Companyの買収、TSAによるP&Hの買収、The Carlyle GroupとProvidence EquityによるOpen Solutionsの買収などです。

2007年のM&A情勢が前年より一層活発化すると思われる背景には、いくつか理由があります。まず、銀行業界の業績が引き続き好調で、システム改善に充てる資金が十分に確保できている点です。また、競争の激化に伴い、銀行はバックエンドシステム(柔軟性が高くバンドル商品やリレーションシップ・ベースの手数料体系に対応可能な近代的勘定系システム)からフロントエンドシステム(個人向け、法人向けおよび投資信託サービスを同一サイトで提供できる、中小企業向け次世代型オンラインバンキング)に至るシステム面における競争力の確保に注力しています。

「今年もひきつづき、銀行向けITおよびサービス業界では活発なM&Aの動きが予想されます。」とレポートの執筆者でセレント銀行プラクティスのマネージング・ディレクターであるアレンカ・グリリッシュは述べています。「プロバイダーがサービスの規模や範囲を拡大することによって得られる効果やシステム機能の向上を考えると、最終的には銀行が利益を得ることになるでしょう。」

本レポートは、2006年の金融業におけるIT/サービスに関するM&A動向の概要、銀行関連案件の分析、大型案件の特徴、過去の概括および将来のプロジェクトについて分析しています。

レポートは10図と2表を含む24ページで構成されています。

注)ドルから日本円への換算レートは、2007年2月28日の仲値(東京三菱銀行公表による)を参照。