欧州の対顧客社債取引市場
Abstract
対顧客社債市場における流動性の向上は電子プラットフォームに恩恵をもたらし、現在市場全体のトランザクションのうちの24%を電子取引が占めるに至っています。セレントの予想では、この比率は2007年には40%まで上昇し、売買高でも全体の28%を占めるようになる見通しです。
セレントは、最新レポート「欧州の対顧客社債取引市場」で同市場の動向と取引電子化の進展状況を分析しています。このレポートは、市場の構造、成長性、今後の課題について詳細な情報を提供するものです。
セレントのアナリストでこのレポートを執筆したアクセル・ピエロンは、次のように述べています。「欧州の対顧客社債市場では、ここ2年で明らかに取引電子化の勢いが増しています。スプレッドの縮小を背景に投資家による電子プラットフォームの利用が広がり、取引執行後の情報管理の改善やエラー発生率の減少といった電子化に伴う付加価値も認識されるようになっています。」
単独ディーラー対複数顧客のシングル・ディーラー・システムによるものですが、複数ディーラー対複数顧客のマルチ・ディーラー・システムも台頭しつつあります。現在は、電子取引の50%近くがシングル・ディーラー・システムを通じて行なわれています。
「機関投資家による電子取引の導入が広がり、マルチ・ディーラー・プラットフォームの機能が向上されれば、状況は明確に変わってくるでしょう。社債取引に特化する唯一のプラットフォームMarketAxess Europeの顕著な成長からも、対顧客社債取引市場におけるマルチ・ディーラー・プラットフォームの価値を投資家が認めていることがうかがえます」とピエロンは指摘しています。
レポートでは、対顧客社債取引サービスを提供しているMarketAxess、Bondvision、Bloombergや複数の取引所について綿密に検証しています。
このレポートは17図と3表を含む全34ページで構成されています。